夏の防犯対策 玄関を考える
前回のコラム「■防犯対策 ~ 地域の防犯力、こじ破り対策、無締り」の中でも触れた「油断による無締り」の件ですが、油断といえば、夏の季節に多く見られる大きな油断があります。夏になると、マンション等では特に、部屋が暑くなるので、風通しをよくするために、玄関ドアを開けっ放しにしている家が多く見られます。
しかし、防犯上の観点からは、そのような状態は考え物です。
ドアを開けっ放しにしている人は、マンション等であれば、中央エントランスにロックがあるから大丈夫とか、昼間・家に人が居る状態で泥棒が入ってくるとは思えない、等と考えているのでしょう。
しかし、それは大きな間違いです。
昨今、マスコミ報道や防犯関係各社による防犯対策の重要性を訴える啓蒙活動の結果、多くの家で、色々な防犯対策がされるようになってきました。そのため、空き巣・泥棒も、犯行を行う上で、少々のリスクなら背負う覚悟があるように思えます。
例えば、バールこじ開けのような、侵入を行った証拠を、外の人から見える形で残してでも、侵入を試みる強引な手口が横行していることからも、そのことが想像できると思います。
そういった精神状態の空き巣や泥棒は、補助錠のある侵入が難しいドアよりも、たとえ、中に人が居てもドアが開いている家のほうをターゲットに選ぶこともあるでしょう。
開いたドアから静かに侵入し、ドアの鍵を閉める事で密室にし、中に居る人を「何らかの方法で拘束」するだけです。
非常に恐ろしいことです。なので、ドアの開けっ放しは止めましょう。
また、ドアを開けておきたいという気持ちと防犯対策の折衷案として、よく利用されるのが「玄関アミド」です。
最近は、防犯性能の強いものや、強度の高いものが、玄関アミドでも販売されていますが、所詮アミドです。ドアよりは強度も低い点で防犯性に欠けています。
バールなどを使うまでも無く、足で蹴るだけで破壊されたり、歪んでしまう事があり、結果、侵入を許してしまいます。
これらのことから、少々の風通しの悪さには我慢をして、必ず、玄関ドアを閉めるようにしましょう。それが、防犯対策の第一歩です。